10月
豪華客船「飛鳥Ⅱ」が入港する。神戸の港にはこの船が良く似合う。
クライアント様からのご依頼で、神戸にやってきた。
ブランディングプロモーションの撮影を2日間かけて行う。
オートクチュールウエディングを表現するために最新の特機を用意した。
今回の特機は、タイムラプス用スライダーユニット・LED照明・クレーンだ。
タイムラプス撮影とは、数秒に1回シャッターを切り、その素材を再生して何時間もの間を数秒で見る早送りの映像だ。
只単にインターバル撮影をするだけでなく、今回はそのカメラ自体がレールの上を少しずつ動いていく仕様の特機だ。カメラがたった50センチほどしか動かないのだが、それでも微妙に躍動感のある素材を撮るためにこだわった。
夜明けから日の出のシーンを撮るためにホテルの屋上に陣取る。なんと撮影開始は早朝の4時半からだ。
使いどころの夜明けのシーンを生かすためにはその前後の時間も余分に撮影する必要がある。
撮影時間は約4時間。
シャッターは15秒に1回切るように設定した。
そしてカメラは1回シャッターを切る度にほんの数ミリレールの上を移動する。
機械が自動でやらなければ人の手ではできるものではない。
普通に三脚のカメラを据えての撮影で十分なのだが、クライアント様からの期待を少しでも超えられるよう、そこは我々のこだわりだ。
夜が明け、太陽が昇り、神戸港の船たちが動き出した。
タイムラプスの特徴的なシーンは雲が飛ぶように流れる、車のライトの帯など、動きのあるものがより印象にのこる。
港を行き来する船の軌跡は、車の動きとは違ってまた美しい。
さて今度は夕景の撮影だ。神戸の象徴である神戸ポートタワーが綺麗に見える角度でポジションを取る。
いいあんばいで雲も流れる。綺麗な夕景だ。天気に恵まれて良かった。
「じゃあ深谷君、ここでまた夜まで頼むよ!」
自動でシャッターを切ってくれるとはいうものの、必ず人がついていなければならないのだ。
撮れた映像はこんな感じ。
その間会場では、モデルの撮影や料理の撮影がスケジュール通りに行われていった。
ふたつ目のこだわりは照明器具。
いくつもの場所を移動し、調度品の多い客室などもある為、通常使用する電源を取る大きな照明器具ではなく、コンパクトで移動もスムーズなバッテリー駆動のLED照明を導入した。
色温度の設定もワンタッチでできるすぐれものだ。
モデルを撮影する時の柔らかいタッチの照明から料理などのモノ撮りなどなんでも来いの優れもので、大いに活躍してくれた。
クレーンはここぞというシーンで使う。被写体に動きが無い場合はいいが、モデルの動きに合わせてクレーンを上げ下げするのは難しい。
何度もテイクを繰り返した。
勿論クレーンを使わなくても画の構成は成り立つ。
が、そこも我々のこだわりだ。
最後のカットを撮り終える。
「お疲れ様でしたー!」
2日間のロケも滞りなく無事終了した。
機材も撤収し、名古屋スタッフはまだまだ時間をかけて車で移動だ。
「気を付けてなー!!」
…あれ、ひとり足りないんじゃない?
あっ タイムラプスの深谷だ。忘れてた!
飛鳥Ⅱの横で暗くなってもまだ撮影してる。
本人からスタッフのグループLINEにメッセージが届いてた。
「寒いよ~」
今から深谷をピックアップして帰社してくれ。お疲れ様ー!!
この映像は完成後またこのブログでお披露目したいと思います。