映像制作会社であり、ウエディングムービーをメイン業務とするムーブは

「お客様に感動の商品をお届けする」ことが仕事だが、

もうひとつの大きな軸はサービスを提供することだ。

サービスという付加価値には様々なものがある。

その中で、わたしたちが気を付けていることのひとつが身だしなみだ。

一生に一度の結婚式という大事なイベントに携わり

同じ空間を共にさせていただく訳だから、

清潔であることはもちろんの事、スーツの着こなしやヘアースタイルなど

見栄えにも気を使わなければならない。

細身のスーツがバシッと一見決まっているように見えても

使い古してテカテカに黒光りしていたり、

パンツにアイロンのプレス線が無くなってヨレっとしたりしていたら、

それはもはやスーツではなく作業着である。

靴も履き古してトゥの部分がはがれているようなものはみっともない。

白のカッターシャツもアイロンがパリッとかかっているものが晴れの舞台には相応しい。

（だからムーブに入社したスタッフは、まず身だしなみを学びます）

それと同様のことで、

現場に乗っていく車も綺麗でなければならないと私は思っている。

機材を積み込んだ車で結婚式会場へ向かう際、大抵の場合は

会場最寄りの駐車場へ停めるので、直接車を見られることは少ない。

しかし見られないから車が汚れていても構わないという事ではない。

つまり「姿勢」の問題である。

私たちカメラマンは身だしなみを整える。

レンズにはホコリひとつ無いように、機材メンテナンスを行う。

だけど車には泥がいっぱい付いて汚れていて

車内は缶コーヒーの汁が飛んでいたり、紙屑が落ちていたり

ダッシュボードはホコリがたまっていて汚い。

もしそんな状態の車が自分に配車されたらどうだろう。

私だったら現場に行くまでにテンションが下がってしまう。

物事を成し遂げるためには事前に「整える」という事が大切だ。

よく考えてみてほしい。

結婚式に呼ばれたゲストの方たちは皆、精一杯のおしゃれをするはずだ。

女性は着物やドレスを選びヘアセットもしてくる。

男性も新調したスーツに蝶ネクタイをしておしゃれをする。

車で来るゲストは当然車も綺麗にして会場まで乗り付けるはずだ。

それが一生に一度の結婚式に呼ばれるゲストとしての礼儀でもあろう。

皆がそうして華やかな披露宴のために花を添えるのだ。

夢のある空間に居合わせ、そこに集う人たちが最高の時間を過して頂くためにも

裏方ではあっても、私たちが身だしなみを整える事は必要かつ重要である。

昔こんな話を聞いたことがある。

「ある大手家電メーカーや自動車メーカーへ部品を納入する時に

泥だらけのトラックは門前払いで納品させてもらえない」と言う話だ。

話は少々大げさに伝わっているかもしれないが、要は

お客様の所へ行く場合は営業マンだけでなくトラックも綺麗にすることが礼儀である。

綺麗なトラックに積載されている部品は、検品に信頼のおけるもので、

汚くても良しとしている会社のトラックは、その積荷も信頼できないという事であろう。

先週の雪で、我が社の社用車も汚れていた。

木曜日の朝、スタッフが出勤する前に洗車しに行った。

汚れが目立つ社用車は時々こうして洗車している。

いつもお世話になっている近くのエネオスさんでは

朝8時から夜8時まで自動洗車機が稼働している。

最新式の洗車機は性能が良い。

スポンジブラシだから車に傷をつける事もないし、コースもいろいろ選べる。

普通のシャンプー洗車で300円だ。

（乾燥までしてくれて300円はお値打ち！）

洗車をしたら次は仕上げコーナーに車を移動して布で水滴を拭いて仕上げる。

拭き取り用の布もたくさん用意されている。

ボディーを拭いたら今度は内装を拭き掃除する。

足元のゴムマットも機械でアッと言う間に綺麗にできる。

年式がけっして新しい車でなくとも、綺麗にすればやはり気持ちがいいものだ。

そしてスタッフのみんなへ…

早めに撮影から帰ってきた時はスタンドに寄って、

給油をするついでに洗車もできたらして欲しいな。

従業員みんなの共有物である社用車だからこそ、

次に乗る人が気持ち良いように綺麗な状態に保ちたいよね。

2人でやれば15分もかからず洗車できます。

車は単なる移動手段ではなく、機材と同じ大切な仕事道具であり、

車を綺麗にする事は身だしなみのひとつであるとムーブのスタッフには心得てほしい。

会社を出発するところから、

顧客への「おもてなしというサービス」は始まっているのだ。

Tweet

Pocket