12月
昨日、開発部のワークショップが本社研修センターで行われた。
ワークショップといっても、技術向上の実践的勉強会だ。
入社7年目のベテラン社員、西尾さんが講師を務める。
彼女自身も、今年結婚式を挙げていることもあり、
花嫁の気持ちを良く理解できるので、適任であろう。
今回は「女性目線でのエンドロールの表現の仕方」が切り口の企画のようだ。
女性の気持ちを汲んだエンドロールとは?
そして、女性が思う「素敵・綺麗・これが映ってたら嬉しい!」
というカットの紹介などなど。
ここ最近、自分が撮影したシネマエンドロールの中で、
見てもらいたいシーンを提出し、全員が見て、意見をする。
ムーブ社員の構成比が男女半々なので、
このような比較検討をするのは良いアイディアだと思う。
ここで面白い企画が始まった。
男性社員が撮った素材をみて、女性社員がGoodかNGか評価をするというものだ。
Goodだったらハートマークの札が上がる。
いいと思っていたカットに反応がなかったり、
逆に思わぬカットが評価を得たり、何とも刺激的だ。
しかしこのやり取りを見ていると、女性と男性の感じ方が、
相当に違いがあることに驚く。
女性はドレスの素材やシルエット、
アクセサリーなどの流行のパーツなどをよく知っているので、
そこを押さえた構図を作ることに長けている。
新婦の表情をアップで撮る場合も、
「顔の角度や光の当たり方、ドレスやベール、
アクセサリーの見せ方で、いかに美しく見せられるか?
自分だったら「撮られたくない」と思うカットになっていないか?」と気遣いながら、
絶対に美しく撮らなければならない。
誰しもが多かれ少なかれコンプレックスは持っている。
どれだけの配慮が持てるか?
女性目線のきめ細かさはこういったところに活かされている。
男性はドレスやアクセサリーにあこがれや興味がそもそも無い為、
その全体的なシルエットや構図での美しさは判断できるが、
今流行のドレスなのか、特別なアクセサリーをコーディネートしているのか、
どうしてもそこは感度が弱いところであろう。
さすがと思うが、西尾さんは花嫁のヘッドパーツを見て
「これは衣装屋さんには置いてないものだから、きっと自分で用意したものだろう」
などということまで分かるらしい。
それを映像でどう綺麗に表現しようかというカメラワークが撮れる為、
お客様からの満足度も必然的にワンランク上になるのであろう。
さすがは結婚式の経験者!
靴などのアイテムも、普段は必須カットではないが
人気ブランドを熟知していると
メイク室でさりげなく撮った靴のワンカットが満足度に繋がる。
まとめとして、講師を務めた西尾さんが、ムーブカメラマンの為に
「花嫁たちのこだわりのアイテム大図鑑」を作ってくれた。
しかもマニュアルっぽくなく、手に取りたくなるようにかわいくデザインされている。
これも女性目線だね。西尾さん有難う。
エンドロールカメラマンは、プランナーさんから
お褒めの言葉をいただくことがあるが、それは単に映像美の事だけでなく、
このような「花嫁のこだわりや想い」を、言われなくても、現場の情報からしっかりと読み取り、
作品に反映することで、喜んでいただけているのだと思う。
「あ、やっぱり映像に組み込んでくれている。しかもこんなステキなシーンになって」と
感激させるのがプロフェッショナルなのだろう。