12月
私が結婚式のビデオ撮影を始めたのは今から約30年前。
その頃はどの披露宴も当然のように仲人さんがいて高砂席は4人掛けだった。
そして16~17年前にレストランウエディングや
ハウスウエディングが流行り始めた頃から仲人さんが居なくなって
高砂席は2人席へと変わっていった。
その過渡期にホテルなんかでは2人用の手頃な長さのテーブルが無くて
4人用の長いテーブルを使用し二人がちょこんと座っているという、
今考えてみればバランスの悪い高砂席も良く見かけたものだ。
そしてレストランやハウスウエディング会場の特徴は
高砂席がひな壇になっておらず、フラットな状態でゲストと同じ高さの状態になる。
ビデオカメラマンからすると通常30センチほど高いひな壇があれば撮影しやすいが、
フラットになると手前のゲストの頭がかぶってしまって
撮影ポジションが限られてくる為、結構大変なのだ。
これは、新郎新婦が特別な席ではなく、
敷居を無くしてゲストとより近い所で楽しい時間を過したいという
アットホーム志向があったからだと思う。
しかし、高い高砂席には会場全体を見渡せるメリットがある。
招待したゲストは楽しんでくれているかな?退屈してないかな?
料理をおいしく食べてくれているかな?
両親が一生懸命各テーブルにお酌をして回っている姿も見える。
ゲストからみても新郎新婦の表情が見えるので
高砂席に視線と意識が集中するので一体感に繋がると思う。
だからホテルや専門式場では今でも高砂席を高くしているところは沢山ある。
会場の広さや雰囲気など特性によって選択肢があっても良いだろう。
そこで最近の高砂席の流行はというと、
なな…なんと、テーブルが無くなって椅子もソファーになっているのだ。
ソファーに座った新郎新婦はゲストの椅子よりもさらに低く…!
ますます撮影しづらくなってしまう。
な、なんとカメラマン泣かせな…
インスタグラムが流行し良い写真を撮ってシェアするという事が当たり前の時代になり、
写真うつりの良さが重要視されるようになってきたからか?
だからテーブルを無くして椅子をソファーにするだけでなく、
観葉植物や家具、小物を配置して高砂席の空間演出をする。
確かにテーブルが無くなくなればなんといっても
新婦のドレスを綺麗に見せることが出来る。
今までは立っている時しかドレスを見る事が出来なかったのが、
座っている時のドレスのふわっと感やドレープの美しさも見せることが出来るであろう。
フォトブースも流行りだが、高砂席自体がフォトブースになっている。
空間演出しているから立体感もあってすごくかっこいい。
ゲストの皆さんが写真を撮る時もきっと気合が入るだろう。
この空間演出は大抵お花屋さんが担当する。
新郎新婦の要望もあると思うが、あまり大量の植物を配置すると、
新郎新婦が横から見えづらくなってしまう場合もある。
ビデオマンとしては、何処から撮っても葉っぱが新郎新婦の顔にかかってしまい、
結局正面からしか撮れないということにもなってしまう。とほほ…。
記録撮影もいろんなポジションから変化のある画を撮ってあげたい。
(お花屋さん、プランナーさんには何とかその辺のところを分かってもらうと嬉しいです。)
でもこのソファーの高砂席は大賛成。動画的にも美しい映像がのこせる。
植物を多用したナチュラル系のデザインが多いが、
ホテルなどでは猫足のヨーローピアン調の家具や
ニューヨークテイストのモダンな椅子をベースに空間演出すると
かっこよくなるんじゃないかな。
このスタイルは今後さらに進化してきそう。楽しみです。